旧借地法と新借地法(借地借家法)の違いをわかりやすく解説【2026年】
旧借地法と新借地法(借地借家法)の違いを比較表で解説。契約期間・更新・解約の条件が大きく異なります。自分の借地権がどちらに該当するか確認しましょう。
この記事でわかること(最短回答)
1992年8月1日より前に契約した借地権は旧借地法、それ以降は新借地法(借地借家法)が適用されます。 旧法は借地人の保護が手厚く、半永久的に更新できるのが特徴。新法では「定期借地権」が新設され、期間満了で確実に契約が終了する仕組みが加わりました。※PR含む
旧借地法と新借地法の比較
基本的な違い
| 項目 | 旧借地法 | 新借地法(借地借家法) |
|---|---|---|
| 施行日 | 1921年(大正10年) | 1992年8月1日 |
| 適用される契約 | 1992年7月31日以前の契約 | 1992年8月1日以降の契約 |
| 契約期間(木造) | 最低20年(定めなしは30年) | 最低30年 |
| 契約期間(鉄筋) | 最低30年(定めなしは60年) | 最低30年 |
| 更新後の期間(木造) | 20年 | 1回目20年、2回目以降10年 |
| 更新後の期間(鉄筋) | 30年 | 1回目20年、2回目以降10年 |
| 更新拒否 | 正当事由が必要 | 正当事由が必要 |
| 定期借地権 | なし | あり(更新なし) |
最大の違い:借地人の保護の手厚さ
旧借地法は借地人を非常に手厚く保護しています。地主が更新を拒否するには「正当事由」が必要で、この正当事由は簡単には認められません。そのため旧法の借地権は事実上、半永久的に更新し続けることが可能です。
新法でも普通借地権は更新拒否に正当事由が必要ですが、「定期借地権」が新設されたことで、期間満了で確実に契約が終了する仕組みが生まれました。
旧借地法の特徴
メリット(借地人にとって)
- 半永久的に更新できる — 正当事由なく更新拒否されない
- 建物が存在する限り保護される — 建物がある限り借地権は存続
- 相場より安い地代が多い — 昔からの契約で地代が据え置き
デメリット(借地人にとって)
- 売却時に地主の承諾が必要 — 承諾料がかかる
- 建て替えにも地主の承諾が必要 — 建替え承諾料が追加で発生
- 更新料の慣行がある — 更地価格の3〜5%
現在も旧法が適用されるケース
1992年7月31日以前に締結された借地契約は、更新を繰り返しても旧法が適用され続けます。新法に切り替わることはありません。
都心部には明治・大正時代に設定された借地権が今でも数多く残っています。
新借地法(借地借家法)の特徴
普通借地権
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 契約期間 | 最低30年 |
| 更新 | 可能(更新拒否には正当事由が必要) |
| 更新後の期間 | 1回目20年、2回目以降10年 |
| 建物の構造 | 区別なし(旧法では木造と鉄筋で区別) |
定期借地権(新法で新設)
| 種類 | 期間 | 更新 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 一般定期借地権 | 50年以上 | なし | 期間満了で確実に終了 |
| 事業用定期借地権 | 10〜50年 | なし | 事業用建物のみ |
| 建物譲渡特約付借地権 | 30年以上 | なし | 期間満了時に建物を地主が買取 |
定期借地権は更新がないため、地主にとっては土地が確実に返ってくるメリットがあります。一方、借地人にとっては期間満了で立ち退きが必要になります。
自分の借地権はどちらに該当する?
確認方法
- ☑ 借地契約書の日付を確認 → 1992年7月31日以前なら旧法
- ☑ 契約書がない場合 → 契約開始時期を地主に確認
- ☑ 親や祖父母の代からの借地 → ほぼ旧法
- ☑ 「定期借地権」の記載がある → 新法
- ☑ 分譲マンションの「定借マンション」→ 新法(一般定期借地権)
東京都内の借地権の多くは旧法が適用されています。相続で受け継いだ借地権はほぼ間違いなく旧法です。
売却・相続への影響
旧法の借地権の方が価値が高い
旧法の借地権は半永久的に更新できるため、新法の普通借地権や定期借地権よりも資産価値が高いとされています。
| 借地権の種類 | 資産価値(目安) |
|---|---|
| 旧借地法の借地権 | 更地価格の60〜70% |
| 新法の普通借地権 | 更地価格の50〜60% |
| 新法の定期借地権 | 残存期間によって大幅に変動 |
相続時の注意点
借地権は相続の対象です。旧法の借地権を相続した場合も、旧法がそのまま適用されます。相続登記の義務化(2024年4月〜)に対応するため、建物の登記は忘れずに行ってください。
おすすめの相談先
借地権の種類の確認や売却の相談は、専門家に依頼するのが確実です。
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まとめ
旧法と新法の違いを理解することは、借地権の売却や相続を考える上で非常に重要です。
この記事のポイント
- 1992年7月31日以前の契約は旧借地法、それ以降は新借地法
- 旧法は借地人の保護が手厚く、半永久的に更新可能
- 新法で「定期借地権」が新設(更新なし・確実に終了)
- 旧法の借地権の方が資産価値は高い
- 相続しても旧法は旧法のまま(新法には切り替わらない)
借地権の売却方法について詳しくは、借地権売却の完全ガイドをご覧ください。
借地権の相続手続きについては、借地権の相続手続きガイドをご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 旧法の借地権を新法に切り替えることはできる?
A. 地主と借地人の合意があれば切り替えは可能ですが、借地人にとってメリットがないため、実際に切り替えるケースはほとんどありません。旧法の方が保護が手厚いからです。
Q. 定期借地権のマンションは購入しても大丈夫?
A. 期間満了後は建物を取り壊して土地を返還する必要がある点に注意してください。その分、通常のマンションより2〜3割安く購入できます。残存期間が長ければ検討の価値があります。
Q. 正当事由として認められるのはどんなケース?
A. 地主が自ら使用する必要がある場合(自己使用の必要性)、建物の老朽化が著しい場合などが考慮されます。ただし正当事由の認定は非常に厳しく、多くの場合は借地人に有利な判断がなされています。
Q. 旧法の借地権で建て替えはできる?
A. 可能ですが、地主の承諾が必要です。承諾が得られない場合は裁判所に「建替え許可」を申し立てることができます。建替え承諾料として更地価格の3〜5%程度が相場です。
Q. 借地権の登記は必要?
A. 借地権そのものの登記は義務ではありません。ただし借地上の建物の所有権登記があれば、借地権を第三者に対抗できます。建物の登記は必ず行っておきましょう。