訳あり物件の相場はいくら?売却・買取の価格目安を種類別に徹底解説【2026年】
訳あり物件の相場を種類別に解説。再建築不可は通常の50〜70%、事故物件は30〜80%、共有持分は40〜70%、借地権は60〜80%。売却にかかるコスト(仲介手数料・税金)、通常の中古住宅相場の調べ方、高く売るコツまで紹介します。
この記事でわかること(最短回答)
訳あり物件の売却相場は、通常の市場価格の50〜80%が目安。 再建築不可は50〜70%、事故物件は50〜80%、借地権は60〜80%、共有持分は40〜70%。
立地・物件の状態・業者の専門性で大きく変動するため、必ず3社以上に査定依頼を。
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訳あり物件は法律用語ではなく、不動産の取引実務で使われる呼び方です。買い手が敬遠する事情を抱えた物件の総称で、大きく3つに分かれます。
| 分類 | 何が問題か | 具体例 |
|---|---|---|
| 心理的瑕疵(かし) | 買主が心理的に抵抗を感じる | 自殺・他殺・孤独死があった物件 |
| 物理的瑕疵 | 建物や土地そのものに欠陥がある | 雨漏り・シロアリ・地盤沈下・土壌汚染 |
| 法的瑕疵 | 法律上の制限で自由に使えない | 再建築不可・既存不適格・借地権・共有持分 |
「瑕疵(かし)」とは、簡単に言えば欠陥や不具合のことです。
自殺・孤独死があった物件の扱い
心理的瑕疵のなかでも判断が分かれやすいのが、人が亡くなった物件です。国土交通省のガイドラインでは、死因によって扱いが異なります。
| 死因 | 売買での告知 |
|---|---|
| 自然死(病死・老衰) | 原則不要 |
| 日常生活の事故死(転倒・入浴中の溺死など) | 原則不要 |
| 自殺・他殺 | 必要 |
| 孤独死で特殊清掃が行われた場合 | 必要 |
注意点が2つあります。
- 自然死でも、長期間発見されず特殊清掃や大規模リフォームが行われた場合は告知の対象になります
- 「告知不要」とされるケースでも、買主から聞かれたら答える義務があります(期間・死因を問わず)
詳しくは事故物件の告知義務はいつまで?で解説しています。
売却価格への影響は死因で変わり、一般に他殺 > 自殺 > 孤独死の順で値下がり幅が大きくなります。
訳あり物件の売却相場【種類別一覧】
訳あり物件の売却価格は、物件の種類によって大きく異なります。ここでは通常の市場価格と比較した目安をまとめます。
種類別の売却相場まとめ
| 物件の種類 | 通常相場比(買取の場合) | 仲介売却の場合 |
|---|---|---|
| 再建築不可 | 50〜70% | 60〜80% |
| 共有持分 | 40〜70% | — (仲介困難) |
| 事故物件(自殺) | 50〜70% | 60〜80% |
| 事故物件(殺人) | 30〜50% | 40〜60% |
| 借地権付き | 60〜80% | 70〜90% |
| 既存不適格 | 60〜80% | 70〜90% |
| 差押え物件 | 50〜70% | — (競売が一般的) |
買取の場合は仲介売却より10〜20%低くなりますが、確実性とスピードで優れています。
上の表は目安です。 訳あり物件の値引き率には公的な統計がなく、実際の価格は立地・物件の状態・買主の事情で大きく変わります。だからこそ、まず自分の物件の「通常相場」を自分で調べることが出発点になります。
通常の市場価格とは
「通常の市場価格」とは、同じエリア・同じ面積・同じ築年数で、訳あり要因がない物件の仲介売却価格を指します。
通常相場を自分で調べる方法(無料・国交省の公式サイト)
国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で、実際の取引価格を無料で検索できます。
このサイトでは、不動産の取引価格・地価公示などの価格情報のほか、防災情報や都市計画情報も見られます。実際に成約した価格のデータなので、広告に出ている「売り出し価格」より実態に近い数字が分かります。
なぜ自分で調べる必要があるのか。 訳あり物件の査定では、業者が提示する金額が妥当かどうかを自分で判断できないと、相場を大きく下回る価格でも気づけません。
手順はシンプルです。
- 不動産情報ライブラリで、自分の物件と同じエリア・似た条件の取引価格を調べる
- その金額を「通常相場」の基準にする
- 上の表の割合を掛けて、訳あり物件としての目安を出す
- 業者の査定額がその範囲から大きく外れていないか確認する
※旧「土地総合情報システム」から不動産情報ライブラリに移行しています。古い名称で探すとたどり着けないことがあるため、上のリンクから直接アクセスしてください。
中古住宅の相場感をつかむうえでも、この公式データが最も確実です。 民間の一括査定サイトの数字は売り出し価格ベースのことがあり、成約価格とは差が出ます。
再建築不可物件の相場
再建築不可物件は、建築基準法の接道義務を満たさないため、建物を取り壊すと新しい建物を建てられない物件です。
相場の目安
通常相場の50〜70%
都心部で駅から近い再建築不可物件は70%に近づきます。一方、地方で利便性が低い場合は50%以下になることもあります。
査定額に影響する要因
- 接道状況:43条ただし書き道路に面していれば建築許可の可能性があり、査定額が上がる
- 建物の状態:リフォーム可能な状態であれば、買取業者が再販しやすい
- 立地:都心部は投資家からの需要が高い
- 土地の広さ:隣地を買い足して接道義務を満たせる可能性があれば加点
事故物件の相場
事故物件の相場は、死因の種類と経過年数によって大きく変わります。
死因別の相場目安
| 死因 | 通常相場比 | 経過5年以上 |
|---|---|---|
| 孤独死(早期発見) | 90〜100% | — |
| 孤独死(特殊清掃済み) | 70〜85% | 80〜90% |
| 自殺 | 50〜70% | 60〜80% |
| 殺人 | 30〜50% | 40〜60% |
時間の経過とともに心理的影響は薄れるため、急ぎでなければ数年待つのも一つの戦略です。ただし、その間の維持費(固定資産税・管理費)との兼ね合いを考える必要があります。
共有持分の相場
共有持分とは、相続等で複数人が共有する不動産のうち、自分が持っている権利の部分です。
持分のみ売却する場合の相場
通常相場の40〜70%
共有持分のみの売却は、買主にとって「他の共有者と権利関係を調整する」手間とリスクがあるため、大幅に値引きされます。
持分売却と物件全体売却の比較
| 持分のみ売却 | 物件全体を売却 | |
|---|---|---|
| 相場 | 通常価格の40〜70% | 通常価格の80〜100% |
| 他の共有者の同意 | 不要 | 必要(全員の同意) |
| 手間 | 少ない | 多い(合意形成が必要) |
可能であれば、共有者全員で話し合い物件全体を売却するのが最も有利です。
借地権付き物件の相場
借地権付き物件は、土地を借りて建物だけを所有している状態の物件です。
相場の目安
通常相場(所有権物件)の60〜80%
借地権の相場は、その土地の借地権割合(国税庁の路線価図でA=90%〜G=30%が定められています)が一つの目安になりますが、実際の売買では次の要因で上下します。
| 要因 | 相場への影響 |
|---|---|
| 地主の譲渡承諾が取れているか | 承諾済みなら高く、未承諾なら大幅減 |
| 譲渡承諾料の負担 | 一般に借地権価格の10%程度を要求される |
| 残存期間・更新の状況 | 更新直後なら有利、更新料トラブル中は不利 |
| 地代の水準 | 周辺相場より安ければプラス材料 |
借地権の売却は、地主との関係がそのまま価格に響きます。 売却前に地主の承諾を得ておくか、地主自身に買い取ってもらう交渉から始めるのが定石です。詳しくは借地権売却の完全ガイドをご覧ください。
既存不適格物件の相場
既存不適格物件は、建築時は適法だったものの、その後の法改正で現行基準に適合しなくなった物件です(違法建築とは異なります)。
相場の目安
通常相場の60〜80%
建て替え時に現行基準へ合わせる必要があるため(多くは今より小さい建物しか建てられない)、その分が値引きされます。
- 容積率オーバーの程度が小さい:80%に近づく
- 大幅にオーバーしている:建て替えで大きく縮むため60%程度まで下がる
- 住宅ローンが通りにくい物件は、現金買取が中心になりさらに下がる
訳あり物件の売却にかかるコスト(費用と税金)
相場だけでなく、手元にいくら残るかまで計算しておくと、査定額の比較で迷いません。売却時のコストは次のとおりです。
売却時にかかる費用一覧
| コスト | 金額の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 仲介手数料 | 売却価格の3%+6万円+消費税(上限) | 買取業者への直接売却なら0円 |
| 印紙税 | 1,000〜3万円 | 契約金額により変動 |
| 抵当権抹消費用 | 1〜3万円 | ローンが残っている場合 |
| 測量費 | 30〜80万円 | 境界が未確定の場合 |
| 解体費 | 100〜300万円 | 更地渡しの場合のみ |
| 譲渡所得税 | 譲渡益の20.315%(長期)/39.63%(短期) | 利益が出た場合のみ |
税金のポイント
- 長期・短期の判定は「売った年の1月1日時点」で5年を超えるかどうかです。1ヶ月の差で税率が約2倍変わることがあります
- 相続した物件は被相続人の取得日を引き継ぐため、多くは長期(20.315%)に該当します
- 訳あり物件は取得費より安く売れることが多く、譲渡益が出なければ譲渡所得税はかかりません
買取業者への直接売却なら仲介手数料がかからないため、査定額が仲介より低くても、手取りでは差が縮まることがあります。比較は「査定額」ではなく「手取り額」で行ってください。
相場以上で売るための5つのコツ
訳あり物件でも、工夫次第で査定額を上げることは可能です。
コツ①:3社以上に査定を依頼する
訳あり物件の査定は業者によって大きな差がつきます。最低3社、できれば5社に依頼して比較しましょう。
コツ②:物件の種類に合った専門業者を選ぶ
事故物件は事故物件専門の業者、借地権は借地権専門の業者など、物件の種類に合った専門業者のほうが高い査定額を出す傾向があります。
コツ③:物件の「強み」を整理して伝える
査定の際に以下のような強みを伝えると、査定額にプラスに働きます。
- 駅から近い(徒歩10分以内)
- 土地面積が広い
- リフォーム済みの部分がある
- 周辺に生活利便施設が充実
コツ④:最低限の管理をしておく
「現状のまま」で売れる業者でも、最低限の片付け(通路の確保・ゴミの撤去)をしておくと印象が良くなります。
コツ⑤:焦って即決しない
「今日決めてもらえれば○○万円」と急かす業者には注意。複数社の査定結果が揃うまで決断を急がないでください。
おすすめの査定先
物件の種類に応じた査定先を選びましょう。
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まとめ
訳あり物件の売却相場は種類によって大きく異なりますが、正しい業者選びで査定額は変わります。
この記事のポイント
- 訳あり物件の売却相場は通常価格の50〜80%が目安
- 再建築不可は50〜70%、事故物件は30〜80%、借地権は60〜80%
- 共有持分のみの売却は40〜70%と大幅に下がる
- 必ず3社以上に査定を依頼して比較する
- 物件の種類に合った専門業者を選ぶことで査定額アップ
訳あり物件のおすすめ買取業者については、訳あり物件の買取おすすめ業者をご覧ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 訳あり物件の査定は無料?
A. はい、本記事で紹介している買取業者はすべて査定無料です。現地調査も無料で行ってくれます。査定後に断っても費用は発生しません。
Q. 査定額と実際の買取額は同じ?
A. 概算査定と正式査定で差が出る場合があります。現地調査後に提示される正式な買取額が最終的な金額です。概算査定が高くても、現地調査後に減額されるケースがあるため、正式査定で比較しましょう。
Q. 仲介と買取、どちらが得?
A. 売却価格だけなら仲介が高くなります。ただし仲介手数料(3%+6万円)がかかり、売却まで時間もかかります。総合的に考えると、訳あり物件は買取のほうが手取り額で有利になるケースが多いです。
Q. 相場より安い査定額が出たらどうする?
A. その業者の査定額が妥当かどうか、他社と比較してください。1社だけ極端に安い場合は、その業者は訳あり物件の取り扱い実績が少ない可能性があります。専門業者に依頼し直しましょう。
Q. 訳あり物件は住宅ローンが使える?
A. 訳あり物件は担保評価が低く、住宅ローンの審査が通りにくい傾向があります。そのため、一般消費者への仲介売却は難しく、現金買取の業者や投資家への売却が中心になります。
Q. 訳あり物件の定義は?どこからが訳ありになる?
A. 訳あり物件は法律用語ではなく取引実務での呼び方で、大きく3種類あります。心理的瑕疵(自殺・他殺・孤独死があった物件)、物理的瑕疵(雨漏り・シロアリ・地盤沈下・土壌汚染)、法的瑕疵(再建築不可・既存不適格・借地権・共有持分)です。瑕疵とは欠陥や不具合のことを指します。
Q. 自殺と孤独死では相場が違う?
A. 一般に他殺、自殺、孤独死の順で値下がり幅が大きくなります。買取では自殺のあった物件が通常相場の50〜70%、殺人があった物件は30〜50%が目安です。孤独死は発見までの期間や特殊清掃の有無で変わり、早期発見で特殊清掃が不要だった場合は値下がりが小さく済むこともあります。
Q. 通常の相場は自分で調べられる?
A. 調べられます。国土交通省が運営する「不動産情報ライブラリ」で、実際の取引価格を無料で検索できます。成約した価格のデータなので、広告の売り出し価格より実態に近い数字です。自分の物件と似た条件の取引価格を調べて基準にすれば、業者の査定額が妥当か判断できます。旧「土地総合情報システム」から移行しているため、古い名称では見つからないことがあります。
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